第18回 張作霖爆殺事件と田中義一内閣

 昭和という時代は、「激動の昭和」とか「動乱の昭和」――こう言われているように、敗戦までまさに戦争と動乱に明け暮れした二十年でしたが、その発火点となったのが、これからお話する張作霧爆殺事件です。昭和三年六月、満州軍閥の首領張作霖の乗った列車が奉天、現在の潜陽で爆破され死亡した事件ですが、時の内閣は.....(続きはこちら

第19回 ロンドン会議と浜口雄幸内閣

 これからお話するロンドン会議は、日本海軍の歴史の上では 「悲劇のロンドン会議」と言われています。ロンドン会議というのは、巡洋艦や駆逐艦、潜水艦、こういった軍艦を艦隊作戦で戦艦などの主力艦を助ける役割をするので補助艦と言いますが、その補助艦の建造を制限しようと、昭和五年一月からロンドンで開かれた国際会議です。日本は対米七割.....(続きはこちら

第20回 満州事変と若槻礼次郎内閣

 昭和という時代は、「陸軍の謀略と共に始まった」と云われています。まず昭和三年六月の張作霖爆殺事件です。奉天軍閥の首領である張作霖が満州を事実上支配し、一時は北京に進出するほどの大きな力をつけたのは、日本の後押しがあったからでした。それが、だんだん日本の云うことを聞かなくなってきて、このままでは日本が日露戦争で獲得した南満州の権益がおかしくなる.....(続きはこちら

第21回 五・一五事件と犬養毅内閣

 戦後間もない「週刊朝日」に、「問答有用」という徳川夢声の人気対談シリーズがあったのを、ご記憶の方も多いと思います。夢声という人は、話のうまい人でした。戦争中、ラジオから流れてくる「宮本武蔵」の絶妙な語り口。とにかく娯楽というものが全くないのですから、私なんかも勤労動員の軍需工場から帰ってくると、夢中になってラジオにかじりついたものでした。その夢声が.....(続きはこちら

第22回 国際連盟脱退と斎藤実内閣

 昭和六年九月十八日の夜、奉天郊外柳条湖の満鉄爆破で始まった満州事変が、支那事変、太平洋戦争と、日本の「十五年戦争」の扉を開いたとするなら、その日本の運命を「戦争の方向へ」と決定づけることになったのが、これからお話する国際連盟からの脱退です。昭和八年三月、退役海軍大将斎藤実内閣の時でした。五・一五事件で暗殺された犬養毅首相は.....(続きはこちら

第23回 昭和の言論

 きょうは「昭和の言論」というテーマで、昭和六年九月の満州事変から十一年二月の二・二六事件に至るまでの四年半近く、ある意味では支那事変から太平洋戦争へと、日本の進路を戦争の方向へ決定づけることになった、この時期の日本の言論について話してみたいと思います。満州事変からの日本は、それこそ一、二年の間に大きくなだれを打って.....(続きはこちら

第24回 二・二六事件と岡田啓介内閣

 これからお話する二・二六事件は、昭和史で最も重大な事件の一つです。大雪の昭和十一年二月二十六日早朝、陸軍皇道派の青年将校率いる千四百八十三人、完全武装の大部隊が首相官邸や政府要人を襲撃したのです。内大臣斎藤實、大蔵大臣高橋是清、陸軍教育総監の渡辺錠太郎大将、そして首相秘書官の松尾伝蔵予備役陸軍大佐と四人が殺害され.....(続きはこちら

第25回 二・二六事件と広田弘毅内閣

 戦前のことは余り知らないのに、二・二六事件だけはよく知っている。こんな若者が結構多いんだそうですが、それほど先月ときょうの二回にわたってお話する二・二六事件は衝撃的な事件だったのです。大雪の昭和十一年二月二十六日早朝、陸軍皇道派の青年将校率いる千四百八十三人、完全武装の大部隊が首相官邸や政府要人を襲撃し.....(続きはこちら